
ハイの対捕食者行動(Fuke, 2018)
研究内容
陸水生物に関する自然史研究を主に進めています。
インレー湖における淡水魚類の起源や進化に関する研究
ミャンマーの古代湖・インレー湖固有の淡水魚類を対象として、生物相形成過程や種分化、適応進化に興味を持ちながら研究を行っています。 浅く小さな湖ながら、インレー湖はなぜ高い多様性・固有性を有しているのか、他の古代湖とも比較しながらその謎を解明したいと思っています。 現在は、次世代シーケンサーを用いて在来魚類網羅的な系統解析と集団遺伝学的解析を進めています。

インレー湖上で漁をするインダー族の漁師
日本産カワリヌマエビ属の系統と集団遺伝学的研究
カワリヌマエビ属は日本から4種が知られており、西日本にミナミヌマエビ、壱岐島にイキシマカワリヌマエビ、琉球列島の石垣島と西表島にそれぞれイシガキヌマエビとイリオモテヌマエビが分布しています。
生物地理学的に大変興味深い生き物ですが、そういった文脈でされた研究はほとんどありません。
また、大陸産のカワリヌマエビ属が本州の各地に侵入しており、在来種との交雑や置き換わりが危惧されていますが、検証はされていません。
さらに、ミナミヌマエビのタイプ標本が失われていることから、在来種の形態的特徴がよく分かっておらず、外来種との判別が難しく問題になっています。
そこで、ゲノムワイドな多型解析法によって日本産カワリヌマエビ属全種の系統関係と集団構造の解明をまとめてやってしまおうと思っています。移入や交雑の実態も同時に確認ができます。
現在、形態解析とMIG-seq法による多型解析を進めています。

ミナミヌマエビ Neocaridina denticulata
外来種の二次的・付随的拡散に関する研究
準備中。琵琶湖を舞台に、川えびやエビノコバンを対象として研究を進めています。
自然史の記載的研究
フィールドで遊んでいる時に見つけた新知見は可能な限りすべて世に出すように心がけています。 山から川まで、幅広くフィールドを楽しんだ結果生まれた副産物です。 研究者やマニアには知られている現象でも、文献を調べてみるとちゃんと記載されていないものが多く、そういった知見もどんどん報告していきます。

石垣島におけるアゴヒゲハゼの12年ぶりの記録(小林・福家,2017)

アカマタのリュウキュウヤマガメの初捕食例(福家,2016)