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標本写真の撮り方 黒バック編

魚類や甲殻類の標本をかっこよく撮影する方法を紹介します。
上のアジアカブトエビ Triops granarius の写真が出来上がるまでを写真で見ていきます。
※無断転載はお断りしています。
※ご意見・質問等は下記の参考資料を見ていただくか、こちらまで:yfa73986(あっと)gmail.com

撮影

カメラで撮影後に画像をパソコンで編集、という手順で標本写真を作り上げます。

撮影

撮影はこのような設備で行います。
水槽は30×30×7(cm)水槽、カメラは愛機のPENTAX K-3Ⅱで、100mmマクロレンズを使用しています。
照明はLED電球を使用しており、ディフューザーで光を拡散しています。

撮影

カメラに付いているダンボールは裏側に暗幕が貼ってあり、天井やカメラの写り込みを防止します。
黒バックはとにかく写り込みとの戦いです。白バック撮影の際はなくても大丈夫です。

撮影

レンズフードに装着します。これは自作です。

撮影

撮影台を横から見るとこのような感じです。底と木材の台の側面にハイミロン暗幕を貼っています。
光が反射しにくい素材なので、真っ黒でどうなっているか分からないですね。

撮影

気泡が付かないように、静かに水を注ぎます。
水位は標本が完全に沈めば大丈夫です。

撮影

ホワイトバランスを補正するために、グレーカードを水槽の下に置きます。また、スケールを水に沈めます。
スケールにピントを合わせてグレーカードと一緒に写真を撮ります。(使用しているグレーカードはこちら

撮影

標本を水に投入します。ゴミが一緒に入らないように注意します。

撮影

最初にラベルと一緒に1枚撮っておきます。

撮影

カニ類は違いますが、魚類やエビ類は頭が左を向くように寝かせます。

撮影

拡大してマニュアルでピントを合わせます。
ここでは、カブトエビ類の同定に重要な尾の棘にピントを合わせています。
光量によりますが、RAWでシャッタスピード0.5秒, f15, ISO100ぐらいで撮れたら理想的です。
若干暗めで撮るのがオススメです。

編集

ここから撮影した画像をパソコンで編集していきます。仕様ソフトはAdobeのLightroom 6とPhotoshop CCを使用しています。
私は画像管理の為にLightroomを使っていますが、これから紹介する一連の作業はPhotoshopだけで完遂できます。

撮影

Lightroomで画像のRAWデータを読み込みます。
まずは、グレーカードを写した画像でホワイトバランスを調節します。
スポイトツール(矢印)でグレーカード上の適当な場所を選びます。

撮影

2枚のグレーカードのどちらでも大丈夫です。

撮影

グレーカードの色を基準にホワイトバランスを自動で調節してくれます。

撮影

調節後がこちら。これで標本の正確な色合いを再現できます。

撮影

次にこの画像の設定をコピーして他の画像にペーストしますが、その前にいくつか設定(矢印)にチェックを入れておくと後が楽です。

撮影

ホワイトバランスを調整した画像を右クリックして、現像設定をコピーします。

撮影

コピーする設定にホワイトバランスが入っているか確認します(すべてをチェック、にすると安心)。

撮影

他のすべての画像を選択して、現像設定をペーストします。
これでホワイトバランスやレンズ補正を一括で調節できます。

撮影

ようやく、標本画像を調節します。一見綺麗に撮れている様に見えますが・・・

撮影

露光量を上げてみると、小さなゴミや写り込みが多いのが分かります。

撮影

余計なものが目立たないように、明るさはハイライト(矢印)で調節します。
標本に暗い色の部分がある場合はシャドウを上げたり、露光量を上げて調節します(ゴミも浮かび上がってきますが仕方ありません)。
細々した調節は省きますが、ここでは傾きと明瞭度を調節しました。

撮影

調節が終わったので書き出します。
ここまでの調節はPhotoshopでも可能ですが、画像管理のためと一括設定が楽ちんなのでLightroomを使用しています。
書き出したものをPhotoshopで開きます。

撮影

まずはブラシツールで背景を黒く塗ってゴミを消します。
ディスプレイの明度を上げるとゴミがよく見えます。

撮影

ブラシの色は完全な黒色(K100%)にします。

撮影

カブトエビの周囲を除いて、背景を黒く塗りました。

撮影

最後にカブトエビの周囲を塗りつぶしツール(矢印)で一気に塗ります。
このカブトエビはコントラストがはっきりしていて、間違って塗りつぶされることはありませんでした。
ここでは省略しますが、塗りつぶしツールは、背景と一体化している部位などが黒く塗りつぶされてしまうことがあります。

これで完成です。上書きしない場合は「別名で保存」します。

撮影

完成した写真がこちらになります。尾にピントを合わせたので、甲は若干ボケて写っています。深度合成等はまた別で解説する予定です。
撮影設定:露光量0.5秒、f10、ISO100
現像設定:色温度4,750、色かぶり補正+27、ハイライト+30、明瞭度+20、回転+1.3

参考資料

  • 魚類標本の作製と管理マニュアル.本村浩之 編.鹿児島大学総合研究博物館.
  • 基本から応用まで、こちらのマニュアルに事細かに書いてあり、大変参考になります。

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